M

服のサイズ選びは重要だ。
だが難しい。

体型はもとより、
その時代によって
サイズ選びは変化していくのだ。

これは、
そんなサイズ選びに翻弄された
一人の女の、夏の物語だ。



~Mとの出会い~

海が見たい。

そんな想いを抱きながら
ふらっと立ち寄った
たんぽぽハウス。

体型的に、
タイトめならS
ジャストならM
大きめならL
を選ぶ私。

ただ、最近は大きめサイズの服を
着るのが流行っているようで、
LやXLをあえて選ぶことも多いようだ。

大きめの服を
着てみようかな。

そんなことをぼんやりと考えながら
店内をなんとなく見る。

その夏、
私が出会った服のサイズは
Mだった。



~Mへの想い~

その日は買わなかった。
買えなかった。

去年はSを着ていた。
今年はL、もしくはXLを着たい。

そんな私が出会った服が
Mだった。

選ぶ必要はない。
選択肢に入っていないの。

でも、気になる。

着たい。
どうしても。
Mでも、あの服を。



~Mと歩む~

次の日、
開店の10時と共に
たんぽぽハウス店内に駆け込む。

あった。

Mサイズのその服を握りしめ、
脇目も振らずレジへと走る。

買う。
買った。
Mを。

すぐに着た。
最高。
買ってよかった。

この夏は、これを着る。
Mサイズ、105円の、
この服を。


~Mを信じる~

颯爽と街を歩く私。
気分は上々。
サイズはM。
でも、構わない。

素材、色、デザイン、
これは私の為につくられた服だわ。

最高のパートナーを従えて、
私は進んだ。

光も、風も、
全てが私に味方していた。


~Mとの別れ~

恐れていた違和感を
感じるまでに
そんなに時間はかからなかった。

すれ違う街のおしゃれな若者たち。

分かる。
着ているのは、L。
もしくは、XL。
あるいは、それ以上。

そんな中、Mを着る私。
だけど、構わない。

本当に?

これは、本当に、
私の求めていたものなの?



葛藤の末、
Mサイズのその服は手放した。

購入した、たんぽぽハウスで売った。

毎日10時から17時まで
買取受付をしており、
査定も手早く、
その場ですぐに支払いもしてくれたので、
大変利用しやすかった。
査定金額も納得できた。
また次回も利用しようと思う。
免許証や保険証などの
本人確認証が必要なので、
次回も忘れずに持ってこようと思う。



~Mとの・・・~

新しい服を探す。
もう、秋物を買う時期かもしれない。

店内に少しずつ出始めた
長袖のカットソーを眺めながら、
夏のMサイズに想いを馳せる。

あの時。

あのMに出会えて、
あのMを着れて、
本当に良かった。

長くは続かなかったけど。
あの時の幸せな時間は本物だったと。

言える。
自信を持って言える。

XLのTシャツを着た私は、
少し笑って、
また、ゆっくりと歩き始めた。


2019年08月11日